ぼくらのフォント

「ぼくらのフォント」事業は株式会社白舟書体がフォントの啓発及び教育事業としてボランティアで行ったものです。

2002年に行なわれたこの事業では、「クラス全員フォント化計画」として、兵庫県のとある小学校の6年生全員のフォントが完成しました。この小学校は当社の近くにあり、私達スタッフの母校、そしてその子供達の母校でもあります。

子供達に、フォントは1文字1文字手作りでできている事を学んでもらい、又フォントを通して今や教育の一環であるパソコンを楽しく学び、小学校で習った漢字の総復習という国語のスキルアップをも目指したものです。

1200余りの文字をマス目の中に丁寧に書くという事は小学6年生には少々根気のいることだったとは思いますが、みんなよくがんばりました。

出来あがったフォントを使い、学校のホームページや文集など、さまざまなものに応用しようと計画しているようです。きっと彼らの文字のタイムカプセルとして小学校の想い出となってゆくなることでしょう。

白舟書体 店主 敬白

●文字の種類(「ぼくらのフォント」に含まれる文字について)
小学校1年〜6年で習った漢字・平仮名・片仮名・記号、計1200字余です。つまり当社のフリーフォントと同じ「教育漢字版」のサブセットフォントです。

制作行程

▼4月
「ぼくらのフォント」計画を担任の先生に話し、お互いに協力していく事を確認。当社で効率的な制作方法の検証と小学6年生の漢字ノートのマス目の大きさに合わせてワクを作った専用字母用紙を用意。

▼5月〜7月中旬
朝の10分間学習「わくわくタイム」にて6年生一人一人が 自分のペースで字母制作に取り組みました。
硬筆習字の要領で自分が書き易い筆記用具で書いてもらいました。
書いた字がそのままフォントになるとあって、みんな真剣です。
「ワクからはみ出さないように・・」「字、間違わないように・・」いつもならワイワイガヤガヤ賑やかな「わくわくタイム」も、
シーーーーーーーン!!!
先生も驚くほど静かな時間になったそうです。
全部の字を書ききるのは、6年生にとって少し根気のいる学習でしたが、なんとかクラス全員が2ヶ月をかけて、1学期中に全字母を書き終えました。

▼夏休み
6年生32名全員の字母を受け取り、当社にてフォント化開始。
一人一人の個性ある文字・・・懸命に書いた苦労の跡が覗えます。
子供のことでいろんな不備があるにもかかわらず、当社スタッフは心を込めてフォント化作業。(^^;)
そして、クラス全員のフォントが8月末に完成しました。

▼2学期開始
完成した「ぼくらのフォント」を使っての学習開始。
まずは各自のフォントで印刷された文章を先生から手渡されました。「わぁすごい!」「自分の字じゃないみたい・・・」歓声が湧き上がります。
次に一人一人の感想を自分のフォントを使いワープロで書いてみます。「字を書くのが大変だった。」「出来上がると以外ときれい。」などなど・・・
詳しくは、「ぼくらのフォント」トップページのみんなの顔をクリックして下さい。